花粉症は、くしゃみ、鼻水、目のかゆみが主な症状と考えられていますが、実は全身のアレルギー反応です。ですから、眠い、だるい、頭がほーっとするなど自律神経調節が乱される症状もでるのです。そこで、治療の根本は抗アレルギー薬の内服となります。
① 自分にあった内服薬を選びましょう。十種類以上の薬があります。主治医とよく相談して決めましょう。
② 点眼薬:内服薬では目のかゆみの症状は改善しません。点眼薬が必要です。これにも多くの種類があります。
③ 点鼻薬:内服薬と併用すると、とても効果が出ます。鼻の症状が良い時間帯にこそ使用するものです。
一般の市販薬の中には、抗ヒスタミン成分が中心になっているものが見られます。確かに即効性がありますが、眠気、口が乾くなどの副作用も強いことが多いです。また、副鼻腔炎のある方は、あまり使わない方が良いと思います。
なお、当院では、「スギ花粉」および「ダニ」に対する舌下免疫を行っています。舌下免疫療法の詳細は省略します。ネットで調べてください。
「スギ花粉」の治療は、花粉症が治まってから始めます。大体5月以降が良いでしょう。
「ダニ」の治療もアレルギー反応がある程度治まってからが良いと思います。この「ダニ」というのは、いわゆるハウスダストと同義語と考えて差し支えありません。大体3-4才頃にアレルギーを獲得してしまい一生続くものです。このため、この子供は小さい時から鼻炎、喘息、皮膚炎などを持ちますので、これが当たり前と感じてしまい病気とは思いません。この状態で成長すると、いろいろな面で不利益が生じます。私は内科医で小児の診察は行っていませんが、この舌下治療は、ぜひ小学生の頃から始められることを強くお勧めします。親御さんのご理解がある場合には、この治療だけは小児期でも当院は協力します。3年以上の治療が必要ですが、毎日舌の下に1錠薬を置くだけで済みます。昔は頻回に注射を繰り返したものです。私の子供も3年間皮下注射を続けかなりの効果を得ました。この注射が錠剤になったわけですからありがたいことです。