ただいま花粉の真っ只中です。さらに黄砂やPM2.5や煙霧や風じんやら、何が何だかわからないものが毎日鼻から口から入り込んでいるようです。花粉症は、すでに大人も子供も知っているメジャーな病気ですので、今さら解説するまでもないと考えます。そこで、私が個人的に行っている花粉症対策をご紹介します。と言っても、あまりたいしたことはないのですが。
私が花粉症デビューしたのは10年程前です。それ以前は、花粉症の人がくしゃみを連発している姿を見て、かわいそうだという思いより、やや滑稽な姿に映った記憶があります。とんでもない医者です。それが、まさか自分が鼻たれになって、頭がぼーっとして、目をこすっているなんて・・・。いみじくも、小泉前首相が言われた「まさか」という「さか」が来たのだと感じました。しかも、とっても辛いのです。なってみないと分からないのが病気ですね。
前置きが長くなりました。
今年の花粉症は、この数年の中で最も強いようです。患者さんが多いことから分かりますし、私の症状からも分かります。特に、目の症状が強い印象です。
目の症状は飲み薬では軽快しません。目薬が必要です。目薬にも種類があります。抗アレルギー薬の目薬、代表格として、インタール、ザジデンなどです。一日に数回使用し、それ以外にも目がかゆい時に使えるメリットがあります。さらに強力なのがステロイド含有の目薬です。フルメトロンが有名です。通常、朝と晩の2回使用すれば、かなり有効です。ただし、すでに目の病気、とくに緑内障がある方は使用しないでください。私は、今、フルメトロン(0.1 %)を毎日使っています。それでも、目のかゆみや痛みを感じることがあるので、その時には薬局で購入した、疲れ目様の目薬、中ぐらいにしみるものを使います。一滴さすと、ぐっときます。しばらく目が開けられませんが、その後はすっきりです。一番いけないことは、目をこすることです。この後に地獄が待っているからです。昨日、花粉症用の眼鏡を1,000円で購入しました。効果があるかどうかはこれからです。
鼻の症状は、内服薬がよく効きます。薬局で市販されているものは鼻水を止める力が強いようです。そのかわり、唾液も止めるので口がかわきます。医者が処方する大部分が抗アレルギー薬です。即効性は弱いのですが、長期に使うことで安定した作用が得られます。
一日一回服用のものと二回服用のもの、やや眠気の出るものから、ほとんど眠くならないものまでかなりの種類があります。もともと花粉症の症状には眠気がありますから、薬の眠気かどうか不確かな面もあります。いずれにせよ、自分に合った薬を選びましょう。
なお、この中には最近になりジェネリック(アレグラ、アレジオン、ジルテック、その他)が増えてきました。また、市販されはじめた薬(アレグラ)もあります。鼻づまりが強い場合は、ロイコトルエン拮抗薬(オノン、シングレア、キプレス)が主に耳鼻科から処方されます。
それなりの効果はあるようですが値段が高いので私は処方しません。それよりも効果が確実なのが点鼻薬です。
鼻の症状が強い場合は内服薬だけではコントロールできません。このときには点鼻薬との併用が効果的です。
最近では一日に一回噴霧するだけのものが出てきました。ポイントは毎日使うことです。症状が弱い時にはつい使わないことが多いようですが、この薬は予防薬ですから、具合が良い時でも続けて使用することが大事です。もう一つのポイントは、鼻水がどんどん出ているときには使用しないことです。せっかく噴霧しても、すぐに鼻をかんでしまい効果が出ません。
鼻の症状が良い時間帯、夜のお風呂上り、眠前などがお勧めです。ひとによっては点鼻薬は鼻が痛いから嫌だと言います。その理由は、息を吸いながら噴霧するからだと思います。そっと鼻から息を吐ききったころに噴霧するといいですよ。
外出時のマスクの効果は確実で必須です。
スギの花粉は桜が散るころまで、ヒノキの花粉はゴールデンウィークまで、その後はカモガヤ、ハルガヤなどのイネ科の花粉です。
みなさん、なんとか乗り切りましょう。