今年の夏は恐ろしいほど暑いですね。もうアブラゼミの時期は終わり、主役はみんみんゼミに移ろうとしています。まだ7月なのに・・・です。喉がものすごく痛くてたまらないと訴えて来院する方が増えてきました。なるほど、喉は真っ赤に腫れているのですが、扁桃腺(口蓋部)や喉ボトケは変化は軽く、さらに奥のほう、喉ボトケをこえた部分(咽頭部の後壁といいます。のどヌールのコマーシャルで薬を塗りつけるところです。)の炎症が強いのが特徴です。
冬の時期のカゼでは扁桃腺(口蓋部)あたりから喉ボトケあたりが真っ赤に腫れあがることが多いのですが、どうして夏カゼの場合と病変の部位が異なるのでしょうか。確証はないのですが、私の考えはこうです。夜眠っている時(昼間でも同じですが)、結構口呼吸されている方が多いのです。
いびきをかく人はもちろん、アレルギー性鼻炎や蓄膿症のある人、とにかく鼻詰まりがある人、鼻声のひどい人などはその典型です。このような方がエアコンをつけて眠ってしまうと、眠っている間、除湿された、やや冷たい空気をずっと吸い込むことになります。
目が覚めた時は、喉はカラカラでときに痛みを感ずるはずです。試しに皆さん口を大きく開けて、口だけで息を吸ったり吐いたりを繰り返してみてください。一分もすればもう喉はカラカラのはずです。これが一晩続けば喉はたまったものではありません。
化学的、器械的な刺激で喉は炎症を起こします。炎症jをおこしたところは防御反応が低下しますから、巷に存在するウイルスや細菌などの微生物が定着増殖しやすくなります。
また喉を守ってくれている唾液もカラカラですから、なおさら喉は無防備となるわけです。夜中にエアコンをつけるのは止めましょう。タイマーで1時間だけという人がいますが、1時間あれば十分炎症が起きます。お昼にエアコンのもとで気持ち良く昼寝をするのも気をつけましょう。
エアコンがなければ夜眠れないとか、主人がエアコン好きでどうしても止められないと話される方も大勢いらっしゃるでしょう。
最後の手段はマスクです。厚いガーゼマスクを口だけに覆い(鼻は出しておいてかまわない)ましょう。少しでも良い効果が得られるはずです。
ギンギンに冷えた電車の椅子にすわり、大きな口を開けて眠っている人、出張の新幹線や飛行機の中で眠ってしまう人、要注意です。
世の中にはいろんな人がいて、真っ裸でエアコンをギンギンにかけておおいびきで眠っても、カゼ1つひかない人がいるのも事実です。抵抗力の問題なのでしょうが、皆さんは自分の体の状態を自分で判断、診断してこの夏を乗り切ってください。
最後に、ジャイアンツの桑田選手が以前こう言っていたのを覚えています。ボクは眠るまでは寝室をギンギンに冷やしておいて、寝る瞬間にエアコンをオフにするのです。やはり自己管理がしっかりしていると感じました。