つい先日、NHKのニュースで風疹が大流行していることを知りました。特に驚いたことは、6人もの先天性風疹症候群の患者が出たこと。そして風疹患者の8割が男性で20歳台から40歳台であったことです。
内科を専門にしている私の場合、成人の風疹患者さんに出会うことは非常に少ないことなので、このニュースに興味を持ちました。また、実際に風疹の抗体価やワクチンに関する問合せの電話もありました。
風疹は春から夏にかけて起こりやすいため、今後の動きが心配です。そこで、簡潔明瞭な風疹対策を述べたいと思います。なお風疹という病気の原因、症状、治療などは今回省きます。細かいことはネットなどで調べてください。
風疹の抗体価は32倍(HI法)以上必要
一般には8倍未満が陰性(抗体がないこと。)、8倍以上は抗体があることになっていますが、8倍、16倍では安心できません。
妊娠を希望されている方で、風疹抗体価が16倍以下の場合にはワクチンの接種をお勧めします。
過去にワクチンを受けている場合も安心できません。 人により抗体のでき方が異なります。
過去に風疹に罹ったと言われている場合
本当に風疹であったかどうかが問題です。風疹の確定診断には検査が必要です。
男性には風疹は関係ないか
とんでもない! 先のニュースのように妊娠に関わる年齢層に風疹が多く発症しています。男性が風疹になれば、その妻に影響します。妊娠を考えている夫婦の場合は、その男性も風疹にならないよう注意が必要です。つまり、抗体価のチェックやワクチン接種を本気で考えてください。
ワクチン接種後、原則として2か月間は妊娠しないように気を付けてください。
ワクチンを接種した後、どのくらいで抗体ができるのか。
およそ接種後4から6週間が必要です。抗体価を調べる場合も接種後6週間以降に検査してください。
なお、当院では風疹の抗体価の測定(血液検査です。)、及び風疹ワクチンの接種を行っています。ワクチン接種は予約制ですのでご注意ください。電話での予約も可能です。